第24話   足元でも釣れるクロダイ   平成16年09月18日  

ここ最近とみに遠くに撒餌を打つ釣人が増えている様に思う。ポイントを沖目に作り自分だけ釣れば良いというのか(?)等と、つくづく思う事がある。

今最も庄内で増えて来ている釣法はダンゴ釣であるが、これ又やたら遠くに投げる人が多い。昔からの庄内釣りの延長で竿先から竿一本のまでの場所で釣る人も居る中で、20~30mは当たり前で時にはこれでもかとばかり50mも先を狙っている人たちもいる。これでは撒餌をして魚を沖へ沖へと誘導しているようなものだ。こまめに足元に撒餌を打って居れば魚が足元まで寄ってくる事が多いのに、これではわざわざ大量の撒餌をして沖目に居付く様にしているものである。

だから、最近は少し波立って濁りが入って来た時以外は中々足元で釣れぬ事が多くなって来た。その為、操作のしやすい軟らかい21(3.9m)から2間半(4.5m)の竿で2歳や3歳の数釣が楽しめる機会も大分減って来ている。釣場は毎日の大量の餌付けのせいで、魚に比較的安心な沖目でも餌を取る事が出来る事を教えてしまったのは他ならぬ人間自身である。自分だけが釣れれば良いと云う釣り人のエゴがそのような結果を招いてしまった。

確かに誰も釣れていない中、自分だけが釣ることの優越感はある。しかしながら、それは同じ条件の中で釣り上げたと云う事での成立する事と考える。魚が濃いけれど危険な場所や後から来てやたら遠くに撒餌を撒いてポイントを作り岸近くの釣り人が釣れなくしての釣の結果ではそれはアンフェアーというものである。

先日も隣の寉岡から遠征して来た釣り人が昔からの庄内フカセ釣り(錘を付けない)で楽しんでいたところ、挨拶もせずに後から割り込んで来たダンゴ釣の人に場を荒らされてすっかり釣れなくされてしまったと嘆いていた。最近ではそんな事が日常茶飯事に行われている。同じ釣り方をするなら兎も角、先に入っている釣り人と別の釣り方をするなら少し離れて釣をする事が礼儀というものだろう。自分だけが釣をするのではない事を釣り人は自覚すべきである。もし逆の立場になったら大いに憤慨するに決まっている。

最近の自分は23時間でも、結構数釣が楽しめて釣の楽な二歳釣りを楽しむ事が多い。それでも稀に尺を超える黒鯛も釣れる事もある。車で1015分、歩いて2〜3分以内の場所で竿12本の場所に静かに撒餌かダンゴを打ち楽しめる場所が理想的である。残念ながら今では当市でもそんな釣場は2〜3ヶ所しか残ってはいない。